Azure VM Backup におけるクロス ゾーン リストア (CZR) について

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こんにちは、Azure Backup サポートです。
今回は Azure Backup での異なる可用性ゾーンへの復元 ( = クロス ゾーン リストア / CZR ) についてご紹介します。
今回ご紹介する内容は、それぞれの公開情報に掲載されておりますが、一つのページに集約されておりません。
よくお問い合わせいただく内容ですので、本記事では情報を集約化してお伝えします。

目次


1. CZR を行うための各条件
1-1. Azure VM の条件
1-2. Recovery Services コンテナーの条件
1-3. 利用できる復元オプション
2. 参考情報


1. CZR を行うための各条件

CZR を利用することで、Azure VM バックアップによって保護されている VM またはディスクを、復旧ポイントから別のゾーンに復元することができます。
CZR を利用するために Recovery Services コンテナーおよび Azure VM バックアップにより保護されている VM が満たすべき条件を下記にまとめました。

1-1. Azure VM の条件

CZR を行うためには、Azure VM バックアップにより保護されている VM が次の条件を満たす必要があります。

  • マネージド VM であること
  • クロス リージョン リストア (CRR) を行う場合、ゾーン固定 VM であること
  • 暗号化された Azure VM ではないこと

Azure VM が特定の可用性ゾーンに固定されているかどうかを確認する方法

ご参考までに、Azure VM が可用性ゾーンに固定されているかどうかの、Azure ポータル画面での確認方法を説明いたします。
VMの概要欄に「可用性ゾーン xxx」 と表示されていれば、表示されているゾーンに固定されており、「可用性ゾーン xxx」 といった表示がない場合はゾーン固定されていないと判断できます。
たとえば、下記画像の VM 「CZR-stand-z1」は可用性ゾーン「ゾーン1」に固定されている状態です。

一方で下記画像の VM 「CZR-standard」はどのゾーンにも固定されていない状態となります。
(この場合は可用性ゾーンは空欄になります。)

1-2. Recovery Services コンテナーの条件

CZR は以下の条件を満たす Recovery Services コンテナーで行うことができます。

  • Recovery Services コンテナーのストレージ レプリケーションの種類が「ゾーン冗長」、または「geo 冗長」かつ CRR が有効になっていること
  • ただし、ストレージ レプリケーションの種類が「geo 冗長」かつ CRR が有効の場合は、セカンダリ リージョンへの復元を行う際にのみゾーン指定して復元可能
    1-1. Azure VM の条件 で説明の通り、ゾーン固定 VM である必要有
    ※ プライマリ リージョンへは CRR を有効化していてもゾーン指定して復元することは不可能
  • 復旧ポイントの「回復の種類」が「Vault-Standard」であること
    「スナップショット」のみ、または「スナップショットと Vault-Standard」の場合はゾーン指定して復元することは不可能

ヒント

CRR については下記の弊社ブログにて紹介しております。

・ Azure VM Backup におけるクロス リージョン リストア (CRR) について | Japan CSS ABRS Support Blog !! (jpabrs-scem.github.io)

  https://jpabrs-scem.github.io/blog/AzureVMBackup/CRR/


セカンダリ リージョン (ペア リージョン) について、および可用性ゾーンをサポートしているリージョンについては下記ドキュメントをご覧ください。

・ Azure のリージョン間レプリケーション | Microsoft Learn

  https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/reliability/cross-region-replication-azure#azure-paired-regions

・ Availability Zones をサポートする Azure サービス | Microsoft Learn

  https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/reliability/availability-zones-service-support#azure-regions-with-availability-zone-support

Azure Portal で Recovery Services コンテナー の「ストレージ レプリケーションの種類」を確認する方法

ご参考までに、「ストレージ レプリケーションの種類」が「ゾーン冗長」に設定している場合の Azure ポータル画面上の見え方を説明いたします。
該当の Recovery Services コンテナー > 設定 - プロパティ > バックアップ構成 - 更新 ボタン から「ストレージ レプリケーションの種類」が確認できます。
たとえば、下記画像の Recovery Services コンテナーでは「ゾーン冗長」が設定されています。

ヒント

Recovery Services コンテナーで既にバックアップを構成している場合は「ストレージ レプリケーションの種類」を変更することができません。

「ストレージ レプリケーションの種類」の変更が必要な場合は下記ドキュメントをご参照ください。

・ Recovery Services コンテナーを作成して構成する - Azure Backup | Microsoft Learn

  https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-create-recovery-services-vault#set-storage-redundancy

Azure Portal で 復旧ポイントの「回復の種類」を確認する方法

ご参考までに、復旧ポイントの「回復の種類」を Azure ポータル画面にて確認する方法を説明いたします。

まずは該当の Recovery Services コンテナー > 保護されたアイテム - バックアップ アイテム > Azure Virtual Machine ボタンを選択します。

続いて確認したい VM の行にて、詳細 - View details ボタンを選択します。

すると選択した VM の復旧ポイント一覧が表示され、ここから「回復の種類」を確認できます。

ヒント

「スナップショット」「Vault-Standard」についての説明は下記ドキュメントをご参照ください。

・ レベル | Azure Backup 用語集 - Azure Backup | Microsoft Learn

  https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/azure-backup-glossary#tier

1-3. 利用できる復元オプション

CZR は次の復元を行う場合にのみ利用できます。

  • VM の作成
  • ディスクの復元

なお、既存のディスクの置き換え はサポートされていません。

VM の作成

復旧ポイントから VM の新規作成を行う際、前述の条件を満たしている場合に、復元先の可用性ゾーンを指定することができます。

具体的な復元の手順は下記の公開情報をご覧ください。

ディスクの復元

復旧ポイントから ディスクの復元を行う際、前述の条件を満たしている場合に、復元先の可用性ゾーンを指定することができます。

具体的な復元の手順は下記の公開情報をご覧ください。

2. 参考情報

※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。