皆様こんにちは、Azure Backup サポートの山本です。
今回は、Azure VM Backup にて、対象の仮想マシンを 「VM の復元」-「構成の復元:既存を置換」にて「復元」を実行すると、「OlrBackupFailed」エラーが発生する場合の原因と対処法についてご案内します。
上記「OlrBackupFailed」エラーが発生した場合、考えられる要因として、対象の仮想マシンに対して「バックアップの停止」を行っていることが考えられます。
(対象の仮想マシンに対して「バックアップの停止」を行っていない、後述のシナリオに合致しない等あれば、弊社までお問い合わせ願います。)
目次
0.【前提】対象の VM の電源は停止しておく必要がございます
1. 該当シナリオ
2. 原因
3. 「構成の復元:既存を置換」として復元したい場合の回避策
【前提】対象の VM は停止してください。
既存を置換 にて復元する場合、ディスクのリストア後、対象 VM に対してディスクのスワップが実施されるため、対象の VM の電源は停止しておく必要がございます。
作業実施前にの画面ショットのように ”停止済み(割り当て解除)” であることを確認してください。
VM を起動したまま実施した場合、下記のような Error Message、および 画面となり失敗します。(リストアのトリガー自体ができません。)
その場合は、上記の画面ショットの状態になるように VM の電源 を停止してください。
エラー コード UserErrorVmNotShutDown
エラー メッセージ VM needs to be in deallocated state for performing replace disks operation
推奨される操作 Please shut down the VM, and retry
1. 該当シナリオ
1) 「VM の復元」を実行したい仮想マシンに対して、「バックアップの停止」を実施済である
(下図のように、「バックアップの停止」ボタンが非活性、「バックアップの再開」ボタンが活性、「前回のバックアップの状態:警告(バックアップが無効)」と表示されている状態となります)
2)上記「バックアップの停止」を実施済の状態で、「VM の復元」をクリックし、「構成の復元:既存を置換」を選択している状態で「復元」を実行する
3)「バックアップ ジョブ」画面にて、以下の状態で処理が終了する。
「Operation : Restore」・・・「StatusCompleted with warnings」「Error Code : OlrBackupFailed」
「Operation : Backup」・・・「Status : Failed」「Error Code : UserErrorBcmDatasourceNotPresent」
(「Operation : Restore」側の詳細画面)
(「Operation : Backup」側の詳細画面)
上記のシナリオてに合致した場合、「復元」がエラーコード「OlrBackupFailed」となる理由は、仮想マシンに対して、「バックアップの停止」が行われているためである可能性が高いです。
2. 原因
「構成の復元:既存を置換」で「復元」を実行した場合、復元の流れとして、復元ポイントからディスクが復元された後、「復元されたディスクに置換する前の仮想マシンの状態」に対するバックアップ(※)が実施されます。
「復元されたディスクに置換する前の仮想マシンの状態」に対するバックアップ(※)が成功した場合、復元されたディスクとの置換作業が実施されます。
「バックアップの停止」中の場合は、(※)のバックアップ処理が行えず「Status:Failed」となり、復元ジョブもエラーコード「OlrBackupFailed」となります。
仮想マシンに対するディスクの置換は行われず、指定した復元ポイント時点のディスクが復元され、Azure ポータル画面の「ディスク」一覧にて確認可能となります。
3. 「構成の復元:既存を置換」として復元したい場合の回避策
下記の 2 種類の方法が考えられます。
1.対象の仮想マシンに対して、「バックアップの再開」をクリックし、バックアップを有効にした状態で、再度「VM の復元」-「構成の復元:既存を置換」を実施する。
これにより、復元時に自動トリガーされるバックアップ ジョブ(※)も正常に実施され、復元ジョブも成功します。
2.対象の仮想マシンに対して、「バックアップの停止」を実施済の状態のまま、「VM の復元」-「構成の復元:既存を置換」を実施する。
この場合、前述の通り「Operation : Restore」「StatusCompleted with warnings」となりますが、ディスクとしては復元されます。
ディスクとして復元後、対象の仮想マシンを「停止済み (割り当て解除)」としている状態で、仮想マシンにアタッチされているディスクと、復元したディスクを手動でスワップすることで、復元ポイント時点の仮想マシンの状態に戻すことが可能です。
Azure Portal > 対象の仮想マシン > 左ペインのディスク > 「OSディスクのスワップ」にて復元されたディスクと現在のディスクをスワップします。
「既存を置換」にて「復元」を実行すると、「OlrBackupFailed」エラーが発生するという場合の対処法について、ご案内は以上となります。
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