皆様こんにちは、Azure Backup サポート チームです。
今回は、Azure VM Backup における VM ごとのバックアップ データ量の確認方法 についてご紹介します。
目次
1. 概要
2. バックアップ データの合計量を確認する方法
3. VM ごと のバックアップ データ量を確認する方法
3-1. 診断設定の構成方法
3-2. バックアップ レポートでのデータ量の確認方法
4. 現時点でできないこと
1. 概要
Azure VM Backup では、バックアップ データは Recovery Services コンテナーに保存されます。
このコンテナーで VM ごとのバックアップ データ量を確認するには、バックアップ レポートを利用する必要があります。
ただし、このレポートを使用するためには、事前にお客様ご自身で診断設定を構成していただく必要があります。
本記事では、診断設定の構成方法および、VM ごとのバックアップ データ量を確認する手順を解説します。
2. バックアップ データの合計量を確認する方法
まずは、Recovery Services コンテナーに保存されているバックアップ データの合計量を確認する方法をご紹介します。
この確認には、特別な設定は不要です。
Azure Portal で対象の Recovery Services コンテナーを開き、[概要] ページの [バックアップ] タブ下部に表示される情報から、Recovery Services コンテナーに保存されているバックアップ データの合計量を確認できます。
3. VM ごとのバックアップ データ量を確認する方法
次に、Recovery Services コンテナーに保存されている各 VM のバックアップ データ量を確認する方法をご紹介します。
この確認には、診断設定の構成と、バックアップ レポートの利用が必要です。
以下の記事にて、設定から確認までの流れをご説明します。
3-1. 診断設定の構成方法
1. Log Analytics ワークスペースの作成
まず、診断ログの送信先となる Log Analytics ワークスペースを作成します。
ワークスペース名は任意で構いません。
Log Analytics ワークスペースの作成方法の詳細につきましては、以下の公式ドキュメントをご覧ください。
・Log Analytics ワークスペースの作成 - Azure Monitor | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-monitor/logs/quick-create-workspace?tabs=azure-portal
2. Recovery Services コンテナーで診断設定を構成
次に、Recovery Services コンテナーの [監視] → [診断設定] を開き [診断設定を追加する] をクリックして構成を追加します。
構成時には、以下の 3 項目にチェックを入れてください
- Core Azure Backup Data
- Addon Azure Backup Policy Data
- Addon Azure Backup Storage Data
送信先には、先ほど作成した Log Analytics ワークスペースを選択します。
ターゲット テーブルの種類はリソース固有を選択してください。
診断設定の詳細につきましては、以下の公式ドキュメントをご覧ください。
・Azure Backup ユーザー向けの診断イベント - Azure Backup | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-azure-diagnostic-events?tabs=recovery-services-vaults
Log Analytics をご利用いただく場合、Azure VM Backup の費用に加えて、ログのインジェストおよびクエリに対して別途費用が発生します。
Log Analytics の費用に関する詳細は、以下の公式ドキュメントをご参照ください。
・価格 - Azure Monitor | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/monitor/
3-2. バックアップ レポートでのデータ量の確認方法
Recovery Services コンテナーの [管理] → [バックアップ レポート] を開き [作業の開始] タブにて、先ほど作成した Log Analytics ワークスペースを選択してください。
次に [バックアップ インスタンス] タブを選択してください。
ページ下部にある バックアップ インスタンスごとのストレージ 欄にて、VM ごとのバックアップ データ量を確認することができます。
ただし、Recovery Services コンテナーにて診断設定を構成した直後にバックアップ レポートを確認いただいても、レポートのデータがすぐに表示されない場合があります。
そのため、Log Analytics にデータ送信するように Recovery Services コンテナーの診断設定を構成した 2 日以上後からレポートを表示することを推奨いたします。
これは、診断設定後の初回データ送信に時間がかかるためであり、以下の点にご留意ください。
診断を構成した後、最初のデータ プッシュが完了するまでに最大 24 時間かかることがあります。 Log Analytics ワークスペースへのデータの送信が開始された後、レポートのデータがすぐに表示されない場合があります。まだ終わっていない現在日のデータはレポートに表示されないためです。 詳細については、「バックアップ レポートで使用される規則」を参照してください。 Log Analytics にデータを送信するようにコンテナーを構成した 2 日後からレポートの表示を開始することをお勧めします。
Azure Backup のレポート構成方法や、レポート表示までの時間に関することの詳細は、以下の公式ドキュメントをご覧ください。
・Azure Backup のレポートを構成する - Azure Backup | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/configure-reports?tabs=recovery-services-vaults
4. 現時点でできないこと
上記にて VM ごとのバックアップ データ量の確認方法をご案内いたしました。
一方で、現時点 (2025年9月17日) では、 VM ごとのバックアップ費用 を直接確認する方法は提供されておりません。
そのため、費用の算出につきましては、お客様ご自身で「Azure Backup の費用」に関する以下の公式サイトをご参照のうえ、VM ごとのバックアップ費用を計算いただく必要がございます。
・価格 – Azure Backup | Microsoft Azure
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/backup/
なお、Recovery Services コンテナーごとの Azure VM Backup の合計費用につきましては、サブスクリプション → コスト分析よりご確認いただけます。
Azure VM Backup の合計費用の詳細は、以下の弊チーム ブログをご覧ください。
・Standard バックアップ ポリシーと Enhanced バックアップ ポリシーの料金の違い | Japan CSS ABRS Support Blog !!
https://jpabrs-scem.github.io/blog/AzureVMBackup/VM_Backup_billing/#2
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