ASR フェールオーバー前後で変更されるマシン上の情報について

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みなさんこんにちは、Azure Site Recovery サポートです。

今回は Azure Site Recovery (もしくは Azure Migrate) を利用して、マシンを Azure VM としてフェールオーバーした際に、マシン上で変更される情報と、そのまま変わらず引き継がれる情報を説明します。

目次


1. フェールオーバー前後で変更される情報
2. IP アドレスについて
3. UUID (GUID) について
4. MAC アドレスについて
5. SID について
6. ホスト名、Azure VM 名について


1. フェールオーバー前後で変更される情報

  • オンプレミス環境上のマシン
  • VMWare VM 上のマシン
  • Azure VM

上記いずれかを、Azure VM としてフェールオーバーした際に、Azure VM 上で変わるものと、変わらずにそのままソース マシン上の情報を引き継ぐものをまとめました。

  • フェールオーバー前後で変わらない情報
    プライベート IP アドレス
    一時ディスク以外のディスクの UUID (GUID)
    SID
    ホスト名
    Azure VM 名

  • フェールオーバー済 Azure VM 上で変わる情報
    パブリック IP アドレス
    MAC アドレス
    一時ディスクの UUID (GUID)

SID や マシンのホスト名が変わらない理由は、 Azure Site Recovery (もしくは Azure Migrate) は、マシン固有の情報やアカウントを削除するプロセス (sysprep のような一般化のプロセス) は行わないためです。
下記、それぞれの項目について補足します。

2. IP アドレスについて

  • パブリック IPアドレス
    フェールオーバー元となる、レプリケート対象のソース マシンと比べて、フェールオーバーされる Azure VM 上のパブリック IPアドレスは変更されます。

  • プライベート IPアドレス
    ソース マシンと同じアドレスをフェールオーバー VM 上でも維持することが可能です。
    ただし、フェールオーバー先の Azure Vnet に同じ IP アドレス空間のサブネットを用意いただく必要があります。

なお、フェールオーバーされた Azure VM が、オンプレミスのソース マシンと同じ IP アドレス/サブネットを使用する場合は、アドレスが重複しているため、サイト間 VPN 接続または ExpressRoute を使用して、それらを接続することはできませんので、ご注意ください。

フェールオーバー後も、同一のプライベート IP アドレスを設定する手順は、以下公開情報をご参照ください。

3. UUID (GUID) について

Linux OS / Windows OS どちらの環境においても、フェールオーバー前後でディスク・パーティションの UUID (GUID) は変わりません。
しかし、Azure VM にもともとアタッチされている「一時ディスク」については、フェールオーバーすると UUID (GUID) は変化します。
なお、Azure Site Recovery では Azure VM 上の一時ディスクに対しては、レプリケート対象ではなく、非サポートとなっております。
このため、レプリケートを希望する重要なデータを Azure VM の一時ディスク上には保管しないでください。

ヒント

Linux OS (RHEL) の場合、RHEL では、/dev/disk/by-uuid 上で UUID / GUID を確認可能です。

Azure VM (Linux OS) の一時ディスクは、通常 /dev/sdb にマウントされています。


Windows OS の場合、mountvol コマンド使って UUID / GUID を確認可能です。

Azure VM (Windows OS) の一時ディスクは、既定で D: となります。

4. MAC アドレスについて

Azure VM として、フェールオーバー VM が作成されるたびに、新しい Azure NIC が作成・付与されます。
この NIC の情報には MAC アドレスも含まれているため、MAC アドレスも変わることとなります。

Windows OS の場合、ipconfig/all コマンドにて MAC アドレスを確認ができます。

(例)

5. SID について

Azure Site Recovery の仕様上、フェールオーバー前後の SID は同様となります。
予期せぬ問題が発生しないよう、Azure Site Recovery (Azure Migrate) 観点では、下記を推奨しています。

  • ソース マシンをシャットダウンした状態で、フェールオーバーすること
  • ソース マシンとフェールオーバー Azure VM が、それぞれ通信できないよう、ネットワークが分離された Vnet 上へまず「テスト フェールオーバー」して、動作確認すること

なお、sysprep を利用しない状態で、同じ Active Directory ネットワーク内で SID が重複するマシンが同時に起動している状態は、Windows OS としてはサポートされない構成となります。

6. ホスト名、Azure VM 名について

ソース マシンと同じホスト名の Azure VM がフェールオーバー VM として新規作成されます。

※ 「Azure VM 名」と「ホスト名」は異なりますので、混同しないようにご注意ください。

Azure VM 名は、レプリケートを構成する際に、ソース マシンと同名にすることも、異なる名前にすることも、どちらも可能です。

本記事の内容は以上となります。

※本情報の内容(添付文書、リンク先などを含む)は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。